ザ・トータル・美紗緒
今、私の心を掴んで離さない者がある。
それは美紗緒という。
AICというアニメーション製作会社の作品にしばしば登場する少女のキャラクターで
私が知る限り以下の作品に出てくる。
「OVA魔法少女プリティサミー」:OVAps
「TV魔法少女プリティサミー」:TVps
「バトルプログラマー白瀬」:bps
「砂沙美☆魔法少女クラブ」:smgc
それぞれの作品は設定もキャラクターデザインも異なり、
美紗緒を演じる声優も違うので、それぞれの作品に登場する美紗緒は別人と考えられるが、
どれも小学4・5年生でロングヘアといういでたちが共通している。
1995年発表されたOVApsに登場する天野美紗緒は虚弱体質で、
今一クラスに溶け込めないでいる。
家庭では両親の不仲という問題も抱えている。
そこをつけこまれたのかどうかしらないが、
魔法の国の女王候補「裸魅亜(ラミア)」に操られ
魔法少女ピクシィミサに変身させられる。
ピクシィミサに変身すると普段の抑圧された感情が一気に爆発する。
そして親友であるはずのサミーを魔法で攻撃する。
ミサは美紗緒の記憶を受け継いでいるが、
美紗緒に戻ると変身していた際の記憶は失われる。
TVpsの中盤、遂に美紗緒は自分がミサであることに気づき、失意に暮れる。
が後半ではミサを自分の一部として受け入れ、
サミーを助けるため自ら変身を望むことさえする。
一方、
bpsの天野美紗緒は性格が明るく、学校生活にも適応している。
料理上手なところなど、むしろ砂沙美のキャラではないか。
この作品において美紗緒は主人公の姪であり
いわゆる妹キャラとしての役割を求められている。
その辺の設定が天地無用シリーズにおける砂沙美の役割と
被っている。
他作品と比べてマイルドな性格なのも妹キャラとしての役割を存分に演じるためだろう。
もちろん彼女とて家庭や学校で悩み事があるかもしれない。
30分×5話という短い話の中でそれらは割愛されているか
いや、悩みがあっても表に出さず、明るい妹役に徹している健気の少女と解釈しよう。
何れにせよ、bpsで見られる美紗緒は
魔法少女でも何でもない、普通少女マイルドミサなのだ。そして2006年、美紗緒史上最も暗い篠原美紗緒がsmgcに登場。
OVApsで裸魅亜が天野美紗緒のことを「憂いた表情がまた素敵ね」
と言っていたが、篠原は憂いた表情がさらにパワーアップ。
深い哀愁をあたり一面に漂わせて登場する。
前の学校では魔法の力をもつことでいじめられ、
転校後もクラスメイトとの会話を一切拒否していた篠原だが、
序盤クラブで仲間を得ることが出来、安心していたのもつかの間
中盤なんと世界の破壊と再生を企む過激派魔女の仲間に入ってしまう。
今度の美紗緒は変身しないのかと思っていたら
ピクシィミサに変身して悪さをするより
過激派に入る方がより凶悪。
これが篠原流変身なのだ。
しかも徹底して暗い。
ピクシィミサには大義名分などない。
ただ魔法で人を困らせて楽しんでいるだけ。
また、よく笑えないジョークを飛ばして
周囲を呆れさせていた。明るい悪役である。
だが過激派篠原は冗談など言わない。
人間の子として生まれてこの方強い疎外感を持ち続けてきた。ところが魔女達は自分を認めてくれる。
魔女の世界こそ自分の居場所と信じて疑わない。幹部魔女達の真の目的も知らず。
現実の世界で過激派に入る人は篠原のような少女時代を過ごしたのかとさえ思えてくる。
ピクシィミサにしても表向き明るく振舞っているものの、
その裏には、健康で誰とでも親しく付き合える砂沙美に対して嫉妬していた感も否めないが。
結局、篠原も自分にうまく折り合いをつけて物語は終わった。
以上が今までに登場した美紗緒たちである。
さて、今後はどんな美紗緒に会えるだろうか。
マイルドミサもそれはそれで素敵だが、
私個人としてはやはり暗めがいい。
哀愁こそ美紗緒の本懐。
新たな舞台で、動いて喋る新生美紗緒を早く見てみたいものだ。
そしてこのトータル美紗緒に新種が書き加えられることを願って止まない。
別の自分を探して、トータルミサの旅は続く。


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